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超絶なるギタープレイ、ピーター フィンガー [フォーク]



超絶なるフィンガーピッキングプレイを聴かせるPeter Finger。この動画は彼のOpen Stringsというナンバー、そのプレイの一部始終を映し出している。この人はドイツのアコースティック ギターリストの一人とされ、我が国では知名度が低いものの確実に玄人を虜にした人物である。この人は今50代過ぎ、同時進行に歩んで来た人の胸の中には栄光高く今日だって輝き続けている事だろう。しかし音楽というものは極論世代ではない、だからそれらを愛するのは各自の自由であり、若い人がそれを聴こうが一向に自由である。本来はそうじゃなきゃ可笑しい。東京の新宿にはバック イン タウンという店があるが、そこは言わずと知れた国内外のフィンガーピッキング系ギターリストが毎晩の如く出演するライブハウスである。実はこの人もその店などに出てたりしている。私がこのような音楽を好んで或る日に見つけたアコースティック ギター リストを主に扱う専門店、その店は何度も赤字ローカル線に乗りながらも今も変わらなければ東京のとにかく西で頑張っている事だろう。 私はレオ コッケのようなスライドバーを用いてのスリーフィンガープレイも好きだが、このピーター フィンガーのようなプレイも嫌いな訳ではない。その時に単音を早弾きするプレイは、右手親指のサムピックをオルタネイト ピッキングし、他の指を混ぜたアルペジオの中に取り混ぜている。独自に編み出したチューニング方法も独特な音世界を構築して行くが、何より際立って目立つのは5分以上を越える中でも尽きる事のない左手指の動きだろう。DAEGADなどのチューニングを曲により変え、又、カポタストも使用している。この曲はどちらかというとジャズな響きも感じる。それは恐らく独自なチューニングと彼が創り出すコード感からなのだろう。



こちらの動画も同じくPeter Finger、今度はVive la Vieというナンバーです。しかしこの人の作品からは何となくスパニッシュな香りを感じます。私は人のギターを色々と好み聴く中でフラメンコという音楽、それはスペインの舞踊に使われているものですが、これは何かそのような香りとか何ともエスニックな料理を食べた後のような余韻を聴いた後に感じます。それはこの人のギターにも味として出ているのではないかとも思うのですが、弾き方はやはりアメリカンな部分もあり、でも、それをこの人なりに消化して自分のものにしている所もあり、こうなると我が国に浸透性が薄いという現実を時に恨みたくなったり、これだけ複雑だからしょうがないかと思ったりと、内心、聴き過ぎればこのような錯覚にも陥る可能性は無いとは言えないでしょう。しかしその巧みなプレイの中で彼は歌心を決して忘れている訳ではなく、それは力強いピッキングの一つ一つに現れている、私は実際に聴き思う所です。私達の世代では多くが70年代というとソウルとかロックを聴いていますが、そのロックからフォークというルーツへ行き、このような所に辿り着く人は少ないのが現実です。今の時代は楽器を弾く技術が無くとも音楽創作自体は知識さえあれば可能なのですが、でもしかしこのような方向性も根強く人気があるのも現実のようです。今、楽器店のアコギ売場に行けば必ずこのようなものを聴きコピーしている店員に当たるのがポピュラーなのですから。とにかく、この二つの曲も二十世紀の中で創られ発表されていたもの。今後もこのようなジャンルは環境音楽の枠に嵌められ、恐らくこれらは数居る中で選ばれる事なく玄人の胸の中にこれからも生き続けて行くのでしょう。最近はCMなどでメジャー所の押尾コータローの楽曲が多用されておりますが、相変わらずバック イン タウンでは岡崎倫典、小松原 俊、小川倫夫などの演奏も聴けます。本当に老舗所に頼りっぱなしなアコギ業界です。


28歳の若さで死したアシッド界の栄光、ティム バークレイ [フォーク]



暫くこのウェブログを更新する事なかった時間、その時間に感じていたものは自然回帰へのメッセージだった。私は凍える程の冷めた都会のアスファルトを歩き一軒のレコード屋に辿り着く。その店の中で包まれるように耳に入って来た歌声、それはTim Buckleyの曲だった。何もかもが二十一世紀さながらにクールな色合いを見せ付けてくれるが、その寂れた一軒のレコード屋さんだけは何故か温かかった。Tim Buckley、この人はアシッド フォークの方では知られた人物であるが、実は1975年の9月に28歳の若さでこの世を去っている。又、息子のジェフも1997年に31歳の若さでこの世を去っている。この父、ティムは丁度、安保の時代に、戦争などという愚かな争いは止めろと、時にそのメッセージを大衆に歌を通して訴えた。サウンドは現在のアヴァンギャルド系にも通じるベルなどの音が効果的に入っており、それがアシッドさを醸し出している。



或る日、その寂れたレコード屋から漏れる歌を聴いた私は、次第にこの人の事が気になり始めた。すると雪降る中をコートの襟を立て、この人の貴重なる音源を探した。この世に出されたアルバムは全7枚、その一枚一枚にはその時ならではのメッセージからなる音が込められている。この曲は恐らく最後に出たライブ盤なのだろうか、パーカッションに乗せて歌う彼の魂が今の時代に息吹きを吹き込む。何かとオーバーラップする時は人それぞれにあるものだから、きっとこれを見に来ては何かを思う人は必ず居る事だろうと思う。私は最近ラジオやテレビから流れる煩く喧しい音に疲れていた。そして、このウェブログを暫く更新する事なく、自然に帰ろうと決め、足を西の方へ進めていた。その自然美な光景が目に入ると、直ぐに足元に戦争の傷跡が整備と言う名の下でごまかすかのように造り替えられている事に気がついた。70年代後半、青山公園のテント、今は伝説の名に挿げ替えられた森田童子氏は、私達のような者が、このようなテントすらまともに張れない環境の元で消え行く事を訴えていた。その暗さは当時の社会、そして今、現代音楽が死に行く中で再びオーバーラップする。


ドブロギターの名手たち [フォーク]



この日本という国に一番最初にこのような本場ブルーグラスなカントリーミュージックの影響受けた後にそれを持ち込んだのはナターシャセブン、それらを先駆者にしてこの頃、1960年代の半ば後半から1970年代にかけては、実にこういう匂いのする音楽が当時の流行でもありました。これらの音楽はこの国以外にもアメリカ他国の当時のアーティスト達にも影響を当然の如く与え、以降も現在までそれは流行を終えたとしても根強く多くのファンに愛され続けております。又、銀座のナッシュビルや曙橋のバック・イン・タウンなどの店はこの辺りの音楽を中心にしたフォーキーな匂いが何時も漂っており、連日、愛好家の人達に愛され続けているという話しを私も風の噂で聞きます。カントリーと言いますと何と言ってもペダルスティールギターの音色が印象的ですが、このようなドブロギターの音色も同じく印象的な位置とされております。一般的に木材から作られる真ん中に穴の開いた、そのサウンドホール形状のフォークギターないしアコースティックギターは普及が進んでポピュラーですが、この鉄板のドブロはあまりこのような音楽に触れない人達には人気がないようにも感じられます。このJerry Douglasの弾き方を観ますと、何となくハワイアンの方のジェリー バードが膝の上にギターを置いてスライドバーを用いて御弾きになっている光景が思い浮かんでくるのですが、Jerry Douglasはストラップを使い同様な弾き姿勢を維持しているようです。日本にも村上 律さんが長渕 剛のバックでスティールギターをやっていた事で馴染みあり存在感がありますが、Jerry Douglasのように本場の匂いを彷彿とするギタープレイヤーの演奏というのはまた違う味わい匂いがあります。



次の動画も良いですね。こちらはJerry Douglas Band、バンド編成でのプレイのようです。 ドブロと言いましても、この弦高は通常の高さのままで演る人も居られれば、この人のように専用に弦高を高く設定して御弾きになられる方まで様々です。アメリカという自由な国が故にこのように個性は我が国の水準を上回っております。昔から現在も他国の文化性から成る音楽を日本で消化しようとすると必ずテキストがあり、その通りに一度は皆々なぞって基本感覚を学んで巣立って行くものですが、元々は彼らの多くはその地に住むバンジョー弾きなどから手解きを受けたり独学で消化していたりだった何て話しはライナーノーツを見ますと良く目にする事です。私がJerry Douglasという人を知ったのも一枚のCD、「THE GREAT DOBRO SESSIONS」というドブロプレイヤーが納められたアルバムであり、この一枚のCDと出会わなければ今もその存在は知らなかったかも知れません。本当に日本ですと中川イサトさんとか石川鷹彦さんとか吉川忠英さんと言った老舗所に未だ頼っているのが現状で、最近アコギを抱えている姿を良く見かける方も居られるかも知れませんが実は元々エレキ出身の人間が多いのが今の日本のスタジオミュージシャンの現状です。私が音楽学校時代にも同様の事を伺った事があります。そう考えますと現実にクラッシックギターとアコースティックギターとエレキギターを全て消化している人というのは数少ないという事になりますよね。しかしこのような音楽を聴くと心癒されるのは何故でしょう。それはその中には故郷への想いやそれらを頑なに愛する人間のスピリッツが息づいているからでしょう。


6&12 Steel Strings [フォーク]



10月も中旬を過ぎ、めっきりと秋らしく、段々と哀愁感が漂って参りました。こうなると寝苦しかった真夏は既に遠く過去に変わって来ます。先日、私は近くの親水公園を散歩しながら、水と緑の割と小さな川辺を覗き、何となくこのようなサウンド、ギターのインストを探していました。正にこのERIC SCHOENBERGのようなギターはピッタリと嵌ります。All In Good Time、正にその時ばかりは全部が良い時間となって流れて行く事でしょう。ギターは何となく日本のタカミネの500シリーズやヤマハのコンパスに似ていますね。このマットな仕上げ具合とかカラーとか実に似たのを観た事があるような、そんな気にもさせてくれます。しかしプレイは実に素晴しい。



さて、次は少し気分を変えて参りましょう。人間、時にはこのような切り替えも必要なものです。このBilly Strangeという人は言わずと知れた12弦ギターの名手とされているアコースティックのギタリストであり、このトラック ウォーキンという曲は正しくこの機関車のジャケやRAILROAD MANというアルバムタイトルにも合うような、カントリーブルースなナンバー、途中から必要最小限にドラムスが入り込んで来ます。1968年のリリースでした。このRAILROAD MANというアルバム内には10曲のインスト曲が入っていました。トレイン何ていう言葉が使われる所からしてもらしさを感じずに居られません。逆に近代化してしまった今だからこそこの時代の音が時に恋しく、又、新鮮に響くのでしょうね。12弦ギターの音は最高です。


Bill Cooley&Pat Donohue [フォーク]



何時に聴いても軽快なBill Cooley、しかしこの人の物は他に比べると少なく思えます。この人の作品の中でも「Myrtle」は割りと軽快な曲の方なのでしょう。Bill Cooleyという人は軽快なアップテンポからスローな曲までをこなすアコースティック ギタリストであり、割と独創性のある類のフィンガーピッカーです。アルバムは自主制作で創られたりしております。しかしこの手のギタリストのアルバムはあまり巷でも御見かけ出来ない白物で御座いますから、このような動画一つとっても貴重と言えます。投稿者の方に心から感謝致します。尚、Bill Cooleyは右手親指にサム ピックを嵌めて弾いているようです。抜群のテクニックです。



本当にフィンガーピッカーだけを挙げてもその人その人の音楽性は皆違い、又、聴き手としてはこの違いが聴き分けられる要素であり、これだけをとっても存分楽しめる訳です。この動画のPat Donohueという人は1983年のフィンガーピッキングチャンピオンであり、フォーキーな中に伝統的なカントリーブルース、ロック、ジャズ、ラグタイムなどのエッセンスを見せるアコースティック ギタリストとされています。この「Maple Leaf Rag」という曲はその中でもラグタイムなもので、何となくスコット ジョップリンの曲を思い描いてしまいます。本当、エンターテイナーなどで有名な4/2なリズム感、正にそれに乗って巧みな指捌きが成され奏でられております。しかしアコギ一つをとってもその音楽性にマッチしたものでなければそれなりの味が出ない、まぁ、それも一つありますが、大切なのは奏でるプレイヤー自身の音としたい基盤の部分なのかも知れません。確かに良いのを使用しておりますが、それだけではないようにも思えます。


Leo Kottke World [フォーク]



`70年代から現在に至るまでファンが多いですが、とにかく、マシンガンのようなフィンガーピッキングを聴かせる人と言えばこの人、Leo Kottkeの存在を忘れる事は出来ません。 この動画はあちらのミュージックTVのものだと思いますが、この「medley」という曲で聴かせる12弦ギターのスライド&フィンガーピッキングプレイ、見事なギタープレイです。このLeo Kottkeという人は特にアコースティック ギター ファンには定評な人ですが、恐らく向こうの方では有名なのでしょう。向こうはこちらとは違ってミュージックTVなどにこういうインスト系の人が結構多く出演しているみたいです。



こちらも同じくLeo Kottkeですが、続いては「Little Martha」という曲を弾いている光景を撮影したのでしょう、この動画をちょっとピックアップ致しました。こちらは12弦ギターではなく、通常の6弦タイプのアコースティック ギターをオープンチューニングなどに変則して弾いているものと思われます。こちらでもコッケならではの繊細な指捌きが観られます。私的にはこのコッケのようなギタースタイルは好きです。この人の場合、インストもそうですが、ギター一本で弾き語りしている作品もあり、割とシンガーソングライターの方かと思います。しかし抜群なギターテクニック、申し分ないプレイヤーの一人と言っても過言ではありません。


Harvey Reid World [フォーク]



2010年の夏が過ぎ、周りは秋の気配が一つ二つと漂い始めております。音楽の秋、読書の秋と言いますように、これからは少しづつ冬に向かい過ごし易くなる事でしょう。さて、今日はHarvey Reidという、1981年のフィンガーピッキングギターチャンピオンの経歴を持つ、ギター以外にもマンドリンやバンジョーやオートハープをこなすマルチプレイヤーを紹介します。この動画ではオートハープを弾いておりますが、この楽器自体はこのように抱きかかえるように時に下の方のボタンのようなものを押したりしながら爪弾き演奏を行うようです。バンジョー、フラットマンドリン以外にオートハープもフォーク系では良く使用されている楽器です。これはクラッシックの方のハープとはまた違う伝統文化に基づくハープ属の楽器ですが、この響きは一年中を通してもこの季節に最も合うように私は感じます。



続いてもHarvey Reidですが、こちらではアコースティック ギターを弾いております。この人の場合は右手のp(親指)以外のi(人指)、m(中指)、a(薬指)に鉄製のフィンガーピックのようなものを付け巧みなフィンガープレイを見せてくれます。p指は通常のサムピックを付けているようです。しかしこの人は本当にマルチプレイヤーです。私もこの人のThe Coming Of Winterという輸入盤を所有し、何時も聴きますが、このマルチには本当に驚かされます。しかしその音楽の中にはキチンとした風土感が全体に漂っていて、アイリッシュな匂いも窺えます。ギターソロ時にはチューニングを変則にし、特殊な部分的に押さえるカポタストを取り付け弾いています。目を瞑って聴けば、何とも言えない風土感から自然の情景が浮かび上がってくるようです。


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