もう一人のスローハンド [SSW]



2011という新しい西暦、それに託す人々の心境は、今、様々だ。これから旬の地上デジタル放送に熱心になってしまうと、本当に大切なものを失い兼ねない。私は日常の中で、その狭間に揺らされていた。今月は暫く年明け後からゆっくりと、それは人行く姿を見ながらに、私はこれまた時代の流れに流されずに自身のスタンスを通す男のミュージックに耳を傾けていた。それがこの人、J.J.CALEであった。私は彼の5枚目のアルバム、そのアナログレコードを所有している。それは「5」という数字文字がやたらと大きく、インパクトを感じた私は迷わずそれを買ったのだった。しかしこの人のアルバム、全ての楽曲には彼の独特なキャラクターが生きている。ブルース、カントリー、R&B、ロック、ミニマルなどのエッセンスを程好く消化した上で調理される彼独特のメニューは好む人を釘付けにした。今もこの人のアルバムを愛するリスナーは後を絶たない。「LIES」、それはR&Bでありながら、その中に彼の良い感じのブルージーなギターが絡み絶妙な味を出している。



皆々、このようなアーティスト一人に対して全部の曲を聞く場合とそうではない場合との二通りがあると思う。しかし私はどちらかというとこの人の曲は皆好きである。それは同質な人間の匂いを感じるからだと思う。それに関して言えば国境など関係ない。寧ろこの類は極稀なのだから貴重とも言えよう。私はかつてエリック クラプトンのアルバム、スローハンドにて同じ「COCAINE」を聴いていたものだった。しかしこの人の「COCAINE」は割と好きかも知れない。それは彼独特のボーカルにも味があるからだと思う。かつてドラマだったと思う、テレビからワンダフル トゥナイトが流れていた。私はこれが収録されていたからかどうかはもう忘れてしまったが、スローハンド、そのフェンダーのストラトキャスターのジャケットを買った。現在、出回っているアルバムには、この二人が共演した模様を収録したものがある。しかし、J.J.CALE、この人の作品はメジャーなクラプトンとは対格な風格がある。私はそれを味と表現したが、正に何時どの時に聴いても色褪せないブルージーで落ち着いたギターは感慨させられる他に引き付けられる魅力を聴く度に感じて止まない。それは時にロックスピリットでもあり打ち込み要素の入ったミニマルさもあり、本当、色褪せる事すらない。ニール ヤング、マーク ノップラー、ブライアン フェリーなどは彼を尊敬している人物に挙げている。


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